会の趣旨

2014.3.16

2014年つくば市は筑波研究学園都市50周年を祝い記念事業を行っています。小中学生には「想像してみよう50年後のつくば」という作文絵画コンテストも行われました。つくば市は、筑波研究学園都市建設とともに計画的に都市が形成され、他都市では見ることのない特徴的な街並みが50年間という短期間のうちに形成されてきました。

つくばの都市空間の中でもとりわけ都市計画上注目をされているのが、総延長約48kmのペデストリアンの一部を構成する「つくば公園通り」です。名称の通り、隣接している公園や広場が一体となり、樹林と都市の柔らかな融合を感じられる日本でも稀な公園通りこそ、筑波研究学園都市の南北(約5km)を貫き先人たちの壮大なる理念を具現化しているつくばの背骨とも呼ぶべき一帯でしょう。

そのつくば公園通りを価値の高いものにしている要素が二つあります。一つは、南の起点である赤塚公園より北の洞峰公園まで、全長1キロに及ぶ石畳歩道の存在です。高度成長期アスファルト全盛の都市建設時に、環境と景観への配慮と癒しある街並みを目指す先駆的思想により計画された石畳は沿道の樹林と共に安らぎの景観を形成し、日本でも最長のものの一つと考えられます。通勤や通学など市民の日々の生活の道としてはもちろん、周辺自治体はもとより他県からも歩く会等の愛好団体が訪れるなど、つくばの価値を高めることに大きな貢献をしています。静的な癒しの場としての赤塚公園と動的な運動施設の備わった洞峰公園をつなげる遊歩道を一体的な総合公園として捉える先人の先駆的思想は、丈夫なコンクリート基板上に厚みのある御影石を丁寧に織り込んだ石畳によって実現しています。

二つ目の要素は、その石畳によって実現されている歩車分離の機能です。自動車が入らない歩行者専用道は他にもありますが、つくば公園通りのこの部分には設計当初より先進的な自転車と歩行者の分離がありました。南北に並行して走る2線の西側が石畳歩道、東側がアスファルト舗装されている自転車道になっていますが、歩行者やジョギングする人はその時の気分に応じてどちらでも通行できます。市民はこの恩恵を享受し50年の年月を経て石畳は沿道の樹林と調和して安らぎの景観を形成してきたところです。

つくばの都市計画の理念の象徴であり、大切な遺産であるつくば公園通りの石畳ですが、歩きにくい、車いすで走行しづらいという理由で、莫大な費用をかけてこの石畳をコンクリート基板ごと撤去してアスファルトにしようとしています。平成25年度に半分くらい壊され、平成26年度に残された赤塚公園から洞峰公園部分も撤去されつつあります。
私たちは50年後のつくばの景観を想像し、沿道の樹林と共に安らぎの景観を形成している石畳歩道を守るために、ここに「つくば公園通りの石畳を守る会」を設立します。